シャフト株式会社

7号機

風船を成層圏まで打ち上げ、
地球を背景に撮影する企画

7号機(First try)

2015年7月7日7時。風の弱い日、風の弱い時間帯を狙ったところ、たまたま7並びの日時。しかも打ち上げる機体も「7号機」。何やら縁起が良さそうな数字に心躍らせながら、7月5日に北海道入りをしました。しかし事前の予測と異なり、徐々に風が強くなってきていたのですが、風ばかりは天任せなので、そのまま不安を抱えながら機体の最終調整作業に。

スペースバルーン7号機

せっかくの7並びなので七夕号として、願い事を書いた短冊も用意しました。もちろん願いは一つ。機体が無事に戻ってきてくれること。

スペースバルーン7号機

打ち上げ日当日。朝3時30分に旅館を出発し、打ち上げ予定ポイントへ。かなり早めに着いたので、ゆっくりと作業準備にかかりました。まだ不慣れとはいえ、5月末に6号機を打ち上げた経験が生き、バルーンを膨らませる作業もそれ程手こずりませんでした。小さな経験値を積み重ねることで、徐々に作業効率が上がっていくのを実感した瞬間です。

スペースバルーン7号機 スペースバルーン7号機

今回は浮力を高めるため、機体につけるバルーンを2個にし、成層圏までの到達時間が短く済むようにしました。安全性の高い打ち上げ地点のページにも記載している通り、上空10km付近には強いジェット気流が流れており、バルーンの上昇速度が遅いと、横軸で流される距離が大きくなってしまいます。

スペースバルーン7号機

よし、あとはバルーンを機体にセットして打ち上げるだけ!・・・という段階にきて、いきなり地上付近の風が強烈に強くなりました。バルーンを持って立っていられないほど。しかも事前予測の西風ではなく、真逆の東風が吹き荒れています。一旦車内に避難してカメラの調整等をして待機していたのですが、断続的に強い風が吹いているので、中々作業に取り掛かれません。そうこうしているうちに、打ち上げ予定時刻の7時になってしまいました。

航空法のページに記載しているとおり、スペースバルーンの打ち上げをするために、1週間以上前に運行情報官を通じて国土交通相に飛行通報書を提出しています。これに大きく外れるようなことがあれば、改めて連絡をしなければなりませんし、ご迷惑をかけてしまいます。何より、地上付近の風の向きが真逆というのが、気になって仕方ありません。

せっかく長い期間準備をし、高いお金を払って北海道まできています。なんとしても打ち上げたかったのですが、不確定要素があるということは、失敗して第三者の方にご迷惑をお掛けしてしまう可能性が十分あるということです。本当に悔しかったのですが、バルーンのヘリウムを抜き、今回の打ち上げは中止しました。

スペースバルーン7号機

実に悔しい結果ですが、仕方ありません。打ち上げまでしていなくとも、今回の作業で発見したこともあります。機体は手元に残っていますので、改めて「7号機(Second try)」に向けて研究を重ねていきます。

7号機(Second try)

挑戦後、ここに掲載します。

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