ヘリウム
風船を成層圏まで打ち上げ、
地球を背景に撮影する企画
ガスの安全性について
風船に浮力を持たせるためには、空気ではない特殊なガスを充填する必要があります。浮力を得るという目的だけで言えば、水素とヘリウムがありますが、水素は絶対に使用しないでください。
同量のガスを充填した場合、上昇する力は若干水素の方が大きいのですが、水素は爆発の危険性を有するため大変危険です。1937年にアメリカで起きたヒンデンブルク号爆発事故では、水素ガスを使った大型飛行船が事故を起こし、沢山の方が亡くなりました。この事故後、水素で満ちた飛行船で乗客を運ぶことも許容されなくなっています。金銭面やわずかな浮力を得るためだけに、大勢の方を危険に巻き込む可能性のある水素は避け、安全性の高いヘリウムを使用してください。
レンタルヘリウムボンベ
ヘリウムガスは、Amazon等のオンラインショップでも簡単に入手することができます。必ず風船用のヘリウムを購入してください。一時期流行った、ヘリウムガスを吸引することで声が変わるグッズが販売されましたが、あれは人体への影響を少なくするため、ヘリウムの割合を極端に減らしています。風船用の100%ヘリウムガスを購入すれば必ず注意書きが書いてあると思いますが、風船用ヘリウムをそのまま人間が吸引したりすると、重大事故につながるおそれがあります。水素に比べれば圧倒的に安全ですが、使い方を間違ってはいけません。注意書きをしっかり読んでから使用する必要があります。
巨大なバルーンを作成するためには、ヘリウムも大量に必要になります。そのため、スペースバルーンでは一般的にレンタルヘリウムボンベを使用しています。ヘリウムボンベを指定の場所に送付していただき、現地で使用。そして使用後のボンベは自身で返送処置をとります。業者にもよりますが、ボンベ内にヘリウムが残っていたとしても、料金は変わりません。極端な話、開封後に1秒だけガスを噴霧して返却したとしても、満額の料金がかかりますので、用途に応じてボンベの大きさをよく考えてからオーダーしましょう。
ヘリウムボンベは、使用方法に若干の慣れが必要です。初めてでいきなりスムーズにガス注入作業はできませんので、これも事前によく確認しておいた方が良いです。何より、ボンベは非常に重たいです。無理をすれば大きな事故につながりかねませんので、十分ご注意ください。
バルーンタイム
もう一つ、日本で有名なヘリウムガスといえば、「バルーンタイム」があります。レンタルボンベに比べてはるかにガス量が少ないのですが、大中小3つのサイズで販売されており、使用後に空になった缶は、自身で破棄することができます。但し、バルーンタイム「大」サイズは、ネットで7,000円前後で購入することができますが、400リットルしか入っていません。もし165cm(5.5フィート)の風船に最大までガスを充填しようとした場合、1,260リットル必要になりますので、バルーンタイム大を3個+アルファ程度が必要になってしまいます。
インフレーター
通常、ヘリウムガスボンベには、残量等を示すメーターが付いていません。従って、現在どの程度ガスを注入したのか、あるいはボンベの中にどの程度のヘリウムガスが残っているかを調べることができません。
そこで役に立つのがインフレーターです。バルーンとヘリウムボンベの間にインフレーターをかませることで、現在の出力やボンベ内残量を知ることができます。必須アイテムではありませんが、これがあることで計画的にガスを使用することができるようになります。
但し、インフレーターはメーカーにより全く仕様が異なりますので、事前によくご確認ください。