散骨の歴史を紐解いてみると、インドのガンジス川で、遺骨を散骨したことが起源とされています。インドでは、今でも遺灰を川に流して祈りを捧げる文化がありますが、この散骨方法がやがてアジアに広がっていく事になります。
日本では飛鳥時代(653年頃)に火葬文化が入ってきて、奈良時代以降は、散骨が実際に行われていました。このことは、万葉集の中にも記録として残されております。また平安時代には、淳和天皇や一条天皇が散骨を希望し、実際に散骨されたという記述が残っています。
お手紙を天国(宇宙)へ送り
ご遺骨を海洋散骨する自然葬
散骨の歴史を紐解いてみると、インドのガンジス川で、遺骨を散骨したことが起源とされています。インドでは、今でも遺灰を川に流して祈りを捧げる文化がありますが、この散骨方法がやがてアジアに広がっていく事になります。
日本では飛鳥時代(653年頃)に火葬文化が入ってきて、奈良時代以降は、散骨が実際に行われていました。このことは、万葉集の中にも記録として残されております。また平安時代には、淳和天皇や一条天皇が散骨を希望し、実際に散骨されたという記述が残っています。
ところが、この散骨という文化が突然、行われなくなってしまいました。その原因は、江戸時代になって始まった「寺請制度」、「檀家制度」です。
江戸時代には、キリスト教信仰を禁止するため、1612年に寺請制度(てらうけせいど)が制定されました。寺請制度では、お寺にお墓を作ることが必須となりますので、これまでの散骨という葬送方式がこの時に一切行われなくなりました。その後、1871年に明治政府によって廃止されるまでの間、実に260年近くもの間、この国で続いてきました。
この寺請制度が廃止されたあとも、その名残としてずっと残っているのが、今でも続く檀家制度です。檀家とは、各家庭ごとにどこかのお寺に属してお布施をし、寺の財政を助けるという制度。既に寺請制度は廃止されているのに、なぜか昔ながらの習慣のまま、今でも続いている文化です。
寺請制度に代わり、昭和23年には「墓地、埋葬等に関する法律」が制定されました。通称「墓埋法(ぼまいほう)」と呼ばれるものですが、この墓埋法こそ、散骨という葬送方式が衰退したと考えられる、2つ目の理由です。
墓埋法では「人の埋葬は墓地以外にしてはならない」と定められています。そして「墓地は都道府県知事から認可された場所のみ」と決まっているため、自治体に認可されたお墓に埋葬する以外の選択肢がありませんでした。
そのため、明治が終わって昭和に変わってからも、人が亡くなったあとはお寺にお願いをし、墓地に埋葬をされてきました。
しかしこの檀家制度に縛られない、自然散骨が再注目される事となる、ある出来事が起きました。
1991年に発足した「葬送の自由をすすめる会」というNPO法人が、本会結成の主旨として以下の点を主張されました。
この主張はこれまでの常識を覆すと同時に、墓埋法の想定外をつく内容でした。当然、世間の大きな注目を浴びて社会的な反響を生み、結果的に国から以下の見解を得ました。
法務省 | 葬送の一つとして節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪には当たらない |
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厚生省 (当時) |
墓埋法はもともと土葬を問題にしていて、遺灰を海や山にまくといった葬法は想定しておらず、対象外である。だからこの法律は自然葬を禁ずる規定ではない |
上記の通りの内容を、新聞の取材に対して追認する見解を明らかにしました。非常に大きな出来事で、これによって「自然葬」という言葉は初めて市民権を得て、大辞林、広辞苑にも収録される言葉となっていったのです。
昭和23年につくられた墓埋法で定めているのは、「遺骨をそのままの形状で墓地以外に埋めてはいけない」ということです。散骨を禁止するという法律ではありません。
つまり、御遺骨をパウダー状に細かく粉骨したり、散骨する場所を適切に選ばなければいけないというルールやマナーはありますが、それらを守り、節度を持って行うのであれば、海洋散骨は違法にはあたらない事が分かりました。
この出来事がきっかけとなり、人は必ずしも最期にお墓に入る必要はない。故人様のご意思や、ご遺族様の状況にあわせて、自然葬(海洋散骨、自然散骨)を自らの意思で選択ができるようになったのです。大変、素晴らしいことですね。
お墓に入る、あるいはお墓を維持していくためには大きなお金がかかります。そのため、現在では檀家制度そのものに疑問をもち、墓じまいをする方も年々増えているのが現状です。自然散骨であれば、故人を供養したい時にわざわざお墓まで出向く必要もないため、現代人の生き方には合っているのかもしれません。
散骨での葬送は、キリスト教、仏教などの宗教とは一切関係がありません。故人様のご遺灰を自然に還すことで、いつでも故人様に手を合わせることができます。お墓への定期的なお参りやお墓の掃除、檀家としてのお布施、お寺との関係性など、様々なことを考える必要がない、自由で現代的な葬送方式といえるでしょう。
ただし、上記の墓埋法で説明したとおり、節度を持った、正しい散骨が条件です。たとえばご遺骨のまま散骨したりしたら、違法になってしまいます。ご遺灰の自然散骨の際には、ぜひプロにご一任くださいませ。故人様の最期の儀式ですので、滞り無く、気持ちよくお送りしましょう。
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