雲はすべて唯一無二の形をしていますが、概ね10種類に分類することができ、その形状によって特徴があります。中にはスペースバルーン打ち上げに際して、とても参考になる雲もありますので、以下にまとめました。

雲の形状から天候予測
風船を成層圏まで打ち上げ、
地球を背景に撮影する企画
十種雲形
雲の形状は国際的に決められており、「十種雲形」または「十種雲級」といいます。これらの雲の形状から、高高度の風の状況や雨、雷等を予測することができます。

出現高度 | 名称 | 通称 | 詳細 |
---|---|---|---|
上層雲 5~16km |
巻雲 | すじぐも | 上層雲の中で最も高高度に出現することが多い。 ジェット気流に伴うことが多い。 上層の風が非常に強い可能性がある。 |
上層雲 5~15km |
巻層雲 | うすぐも | 白いベール状で、薄く陰影のない雲。 |
上層雲 5~15km |
巻積雲 | うろこぐも いわしぐも さばぐも |
氷の結晶からできた雲。 高積雲と形状がよく似ている。 |
中層雲 2~7km |
高積雲 | ひつじぐも | 巻積雲に似ているが塊が大きい。 発達すると太陽光が遮られる。 |
中層雲 2~7km |
高層雲 | おぼろぐも | ほとんどが水滴で構成された雲。 ベール上で空の広範囲を覆うことが多い。 |
中層雲 2~5km |
乱層雲 | あまぐも ゆきぐも |
暗灰色で、雨を降らせる雲の代表。 |
下層雲 1~2km |
層積雲 | うねぐも くもりぐも |
層積雲が降水をもたらすことは少ない。 |
下層雲 1~2km |
層雲 | きりぐも | 最も低いところに浮かぶ霧状の雲。 霧をもたらす雲の代表格。 |
対流雲 1~10km |
積雲 | わたぐも | 上に向かって成長していく雲。 最も発達すると積乱雲となる。 |
対流雲 1~16km |
積乱雲 | にゅうどうぐも らいうん |
雲の下では、雨や雹、突風が発生。 雲の内外で雷も発生する。 |
上記のとおりで、乱層雲(らんそううん)の下では雨が降る可能性があります。特に、巻雲(けんうん)と積乱雲(せきらんうん)には注意が必要です。巻雲が出ている状態で打ち上げれば、ジェット気流にバルーンが流されて回収確立が極端に落ちるだけでなく、第三者へ迷惑をかけてしまう可能性が出てきます。積乱雲の下では雷や雹が降る可能性もありますので、とても危険です。